
2018年4月に、図記号の安全色及び安全標識規格である『JIS Z9103』が13年ぶりに改定されました。
消火器を示す赤が黒に見える。ある色弱者と言われる人の色の見え方だそうです。安全色及び安全標識は、遠くからでも容易に危険、禁止、安全などを示す内容を一目で認識させる必要性がある一方で、多様色覚者に対しては、判別しにくい、分かりづらい色が使われているという現実がありました。
訪日外国人観光客数が過去最高を更新し、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控える中、より多くの外国人が日本へ訪れることが見込まれています。今回の改正では、対応する国際標準が改正されていることも踏まえ、一般材料の色にカラーユニバーサルデザインを採り入れるべく、色の組み合わせに対する認識性調を実施するとともに、対応する国際標準との整合を保ちつつ、世界に先駆けて、一般の人だけでなく多様な色覚を持つ人だれもが識別できる色を選定し、規格に採り入れられました。



■カラーユニバーサルデザインとは
人間の色の感じ方は一様ではなく、遺伝子のタイプやさまざまな目の疾患によって色の見え方が一般の人と異なる人が、多く存在します。この中で、いわゆる色弱者(色覚異常・色盲・弱・色覚障害・色覚特性とも称されます)は、日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人と言われ、日本全体では300万人以上いるとされています。世界では2億人を超え、血液型がAB型の男性の比率に匹敵します。
これらの人たちは、視力(目の分解能)は普通と変わらず細かいものまで十分見えますが、一部の色の組み合わせについて、一般色覚者と見え方が異なります。このため、色の使い方や明度差などに配慮が必要になります。
こうした多様な色覚を持つさまざまな人に配慮して、全ての人に情報が正確に伝わるように配慮されたデザインをカラーユニバーサルデザインと言います。
■色の見え方の違い(一例)

■なぜカラーユニバーサルデザインが重要なのか?
色が重要な伝達手段になっている現代において、カラーユニバーサルデザインは、ますます重要になっています。
カラー印刷技術の発達で、以前は白黒が当たり前だった新聞、一般書籍、地図などはカラーになりました。電子機器の操作画面や電光掲示板でも多色づかいのものが増え、昔は点灯と消灯だけだった電子機器や家電製品のパイロットランプは、最近は何色も違う色に点灯して情報を伝え分けるのが当たり前になりました。公共施設でもカラフルな説明表示があふれ、鉄道の駅では各路線が色分けされて誘導表示され、路線図や時刻表はさまざまな色の線や文字で塗り分けられています。このように色を使って情報を伝えるケースが、過去と比べてはるかに多くなっています。
ところがこれらの表示は一般色覚者の色の見え方だけを考えて設計される場合が多いため、充電アダプターのように、色弱者が情報を読み取れずに不便さを感じるケースが増えています。つまり、色弱者にとって、現代社会は昔より暮らしにくくなっているといえます。
これを解決するのがカラーユニバーサルデザインです。
カラーユニバーサルデザインに配慮することにより、全ての人に美しく感じられるカラフルなデザインを創りつつ、なおかつ情報を正確に伝えることが可能になります。
特に消防関係に携わる関係者にとって、知っておくべき知識かと存じます。
EIZOホームページより